第81回
AIの限定的利用
言語使用のリスクと責任
領域越境的言語教育
本発表は、ChatGPTをライティング指導で活用し始めて2年目の大学英語教師が行う、AIの言語生成と人間の言語使用の違いを重視するAI活用について、教育学的に検討する。1年目の実践は、語法添削と文体改訂のフィードバックを得るためにしかAIを利用しない原則を確定した。2年目では、AIからのフィードバックを活かすために不可欠の、AIを使わない学習を重視した。今後のAI時代における英語ライティング指導は、書く内容の探求とそれを他者に伝達するコミュニケーションの両面に拡充するべきだろう。また大学教育は、英語/日本語、言語科目/専門科目といった領域を越境した言語教育を目指すべきかもしれない。