第70回
ツール・環境
本発表は、発表者が大学英語教師として認識する生成系AIの可能性と限界を示した後、発表者作成のChatGPTプロンプトを使った授業実践を紹介する。AIを使った語彙指導では、学生はAIとの対話からこれまでなかなか学べなかったニュアンスや文体感覚について学ぶ。学術英語ライティングでも、学生はこれまでとは比較にならないほどの豊富な添削と改訂を得て、自らの「声」(≒自分で納得できる英語の語彙と文体)を見つける。AI時代の英語力は、生身の英語力とサイボーグ的英語力の統合となるだろう。これにより既存の英語教育体制は再編成を迫られる。再編成を妨げるのは技術的問題よりも、政治的・組織的問題だろう。