第67回
ツール・環境
我々は、判決推論をシミュレートする論理ベースの法的推論システム「PROLEG」を開発してきた。PROLEGシステムでは、法律条文や最高裁判例を原則ルールと例外として表現し、事件を事実述語で表現することで、判決に至る推論過程を示すことができる。しかし、弁護士がこのシステムを利用するには、事件の事実を論理的に表現する必要があり、障壁となっていた。 この講演では、自然言語で書かれた事件描写から事実述語に抽出する方法を提案する。この手法は、深層学習を用いた固有表現認識(Name Entity Recognition)に基づいており、通常のNERよりも詳細な固有表現を認識できる。