第64回
ツール・環境
高等教育・人材育成
ChatGPTやGPT-4といった大規模言語モデルによるサービスの台頭を受け、言語運用を伴う人間の知的生産活動にAIサービスが急速に浸透しつつあります。教育においてもその影響は大きく、特に大学等においては多様な内容に答えを用意するQAシステムが利用可能になることで、従来の講義・演習方式や到達度の評価方法に問題が生じることが広く議論されています。加えて、適用可能な範囲についての言及がないままのサービス開始と、その爆発的な普及によって、情報信頼性や安全性という観点でも議論の余地が残ります。こうしたAI技術発展の流れが人間の学びプロセスにおいてどのような役割を担えるか、またその際に留意されるべき点について、自然言語処理技術の教育応用の場面でこれまでに議論されてきた内容に触れながら議論します。