第42回
初等中等教育・高専
コロナ禍で求められてきた「新たな生活様式」は、さらに長期化の様相を呈しています。感染症の拡大を最小限に食い止めるために、他者と身体的距離をとる、密をさける、マスクを着用するなどの実践は大切です。しかし、ヒトは、他者との「密・接触」を基本とする社会的環境に適応しながら、長い時間をかけて進化してきた生物です。他者と身体的距離をとりながら生きる日常は、人類が経験したことのない未曾有の事態です。環境の影響を大きく受けながら脳と心を発達させる「子どもたちにとって真に必要な」新たな生活様式の提案を図っていく必要があります。その羅針盤となるのは、生物としてのヒトの脳と心の発達の科学的理解にほかなりません。