第39回

異分野間ギャップの克服による医療課題の解決:新型コロナからの教訓

末松 誠 慶應義塾大学医学部 医化学教室 教授

講演概要

新型コロナウイルス感染症対策

医療・看護教育

コミュニケーション・合理的配慮

第1線の臨床医と感染症専門の研究者の間、変異株ゲノム解析を行う保健所・地方衛生研究所と大学病院など医療機関の間、感染症研究者と分子疫学者の間、創薬研究者と基礎研究者など、平時には一見見えなかったギャップが顕性化し、情報の共有が遅延している。世界は新型コロナの克服に必要と思われる(そうでないものも含めて)データや経験値をステークスホルダー間で早期から共有しているが、残念ながら日本では恐ろしいほど停滞している。昨年の第2波以降、変異株ゲノム解析を実行し、タンパク質の構造を解きつつ、公開をしてきた経験から「一身独立・一国独立」(=一人一人が、他者を尊重しつつも自身の意見を述べ、議論をすれば、その集合である国はおのずと強力になる。逆は真ではない。)の精神が必要で、専門家もそうでないものも、データをそれぞれの目で見てサイバーシンポ等を活用して「気づき」をぶつけ合うことが、これから先の難局を超えていくために極めて重要ではないかと思う。その経験値を共有できれば幸いである。

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